高校選手権への挑戦~part3「共有」~

 公式戦も2試合終了し、選手権までに残された試合は練習試合の2試合となった。

 

 

 9月17日には豊川高校にお邪魔して、豊川高校女子サッカー部、六ツ美北中学校(男子)、富士松中学校(男子)とのトレーニングマッチ。豊川高校女子サッカー部は創部3年目ながらも、夏の大会で決勝に進出した実力校。愛知県1部リーグに所属しお互い切磋琢磨する間柄である。この練習試合での目的は、全員で戦術やポジションごとの役割を理解し、成功体験も失敗体験もすべて含めて共有することである。

 1本目は六ツ美北中学校と行う。男子のスピードとフィジカルに臆することなく戦い、テクニックと戦術的なズレで優位性を作り出し、6-0と大量得点を奪うことができた。ボールを奪った後、どのようにゴールに迫るかのパターンも多く共有できた。

 2本目は豊川高校との対戦。高い技術力を駆使して、ドリブルとパスを上手にミックスさせながらプログレッションを狙う豊川と、組織的なプレッシングで局面における数的優位を作り出し、前線でハメ込みショートカウンターを狙う至学館のバチバチの戦いとなった。序盤からお互いにゴール前で決定機を作り出す。試合が進むごとにプレーのスピードがあがっていく。そして、その攻防を制したのは豊川だった。前線からのプレスを素早い横パスでかいくぐり、針の穴に糸を通すような精度で至学館の最終ラインの裏に1本のグラウンダーの縦パスが入る。そして、タイミングよく飛び出したFWにその勢いのままゴール前まで運ばれてシュート。失点を喫する。その後もお互いの攻防が続く中、試合終了間際に自陣ペナルティーエリア付近で与えたフリーキックを直接決められて0-2。特にこのフリーキックでは、主審の笛で止まっていないにも関わらず、マークにつくのが遅い。壁がリスタートさせないようにプレッシャーを与えない。プレーが止まっていないにも関わらずGKは壁を作ろうとニアポストにくっついてしまう。などチームとしてセットプレーに対する準備不足が浮き彫りとなった。試合後にはプレスの穴を作ってしまったシーンの失敗と、セットプレーに対する守備にあり方を再確認。下を向く選手もいたが「チームとして成功することは大切であるが、それと同様に失敗することも大切。トライしたからこそのミスだろう。これはポジティブなミスだ。成功も失敗も含めて全員で確認するために練習試合があるのだから、ポジティブにとらえて改善していこう。」と話した。

 3本目以降は35分ハーフのスタミナも考え、ベンチメンバーもミックスで戦う。富士松中学校の個を生かしながらのパス回し、六ツ美北中の迫力あるプレーに鍛えられた。

 試合後には豊川高校の牛田監督と談笑。牛田監督は昨年まで豊川高校でコーチを務め、今年から監督に昇格した。今年の豊川高校の躍進には間違いなく彼の情熱と、選手ひとりひとりを大切にする真摯な態度が理由に挙げられると思う。実は、彼とは平成元年生まれの同い年。この夏のお互いの成長も苦労も話し合う。愛知の女子サッカーに関わる若手指導者同士、「選手権頑張りましょう!お互い勝ち上がって決勝リーグで戦おう!愛知のサッカーをもっと盛り上げよう!」と約束し会場を後にした。

 

 

 翌週の9月22日には豊田レディース代表の橋本氏にお願いして、豊田レディースと柳ヶ瀬でのナイターゲーム。社会人もミックスされたトップチームと、中学生年代中心のJrユースとの試合を行わせてもらった。選手の将来を見据え、明確なヴィジョンで育成のサッカーに力を入れる豊田レディースに対してどこまで自分たちのサッカーが通用するかのトライとなった。

 トップチームとの試合では、前からのプレスが機能し決定機を幾度も作り出す。しかしなかなかゴールを割れないうちに、ビルドアップのパスミスを奪われ失点。前半を0-1で折り返す。後半も同じ展開が続く。ボールを支配しゴールまで迫るも、枠外にむなしく飛んでいくボール。また、枠内に飛んでも相手GKのファインセーブにも阻まれる。そしてカウンターから失点。トップとの試合は0-2で敗戦となった。「フィニッシュ」という課題が選手権に向けて明確になった。

 その後のJrユースとの試合は、あんな(1年)が2得点。さらに、あゆみ(1年)のスーパーミドルが決まり3-0となった。控えの1年生コンビをはじめとして、多くの選手が最後の練習試合で持ち味を発揮し、メンバー入りにむけてのアピールをしてくれた。チームとして多くの収穫を得られた練習試合となった。

 

 

 そして2日後、チームは選手権を迎えた。

<Part4に続く...>